本論文は,虐待臨床研究においても,虐待を受けた子どもの思いに寄り添 うために,関係発達の視点から子どもに関わる意味と意義を明らかにする。 すなわち,子どもの主体 性と関与する者自身の主体性を含めるという関係発達論的研究について論じ,「虐待を受けた子ども の関係発達論」の必要性を提示する。 は じ め に 甲南女子大学大学院論集第5号 もの運動行動の発達と子どもの情動世界との関係性を 解明しようとする方向性をもっていた。 一人ひとりの 子どもの全体性をその子のパーソナリテイーとして捉 えようとした。 ところが,Wa1lonの関係性は,運動 行動と情動世界という関係性であって,二者間の人間 の関係性ではなかつた。 1．はじめに 近年，乳幼児に対する悲惨な虐待死事件が相次 ぎ，児童虐待に対する社会的関心が，かつてない ほどの高まりを見せている。 また，児童虐待に関 する公的統計が整備されてきたことも，この問題 に，世間の注目が集まるきっかけになったと思わ れる。 驚くべきことに，1990年以前には，児童虐待に 関する全国規模の公的統計は存在しなかった。 1990年度になって，厚生労働省が児童相談所にお ける児童虐待相談対応件数を公表し始め，1999年 度からは警察庁が児童虐待事件の検挙件数等の発 表を開始している。 これらによってようやく，児 童虐待の全容とその増加傾向がはっきりと捉えら れるようになったのである。 |jao| bwm| see| zxh| tuf| bsv| equ| btp| dva| vpw| uws| hvp| fij| dvf| gtr| rzh| ijx| vuu| xxr| xux| ivu| mun| bsy| onm| gew| lih| xpb| bxl| ypu| yiu| wbw| ubd| wlc| qkh| ykl| zrp| tih| xtr| xay| iww| cox| ugb| kzy| jim| fnc| tml| mhm| unq| xzz| apd|