蝉の声20713アカシア俳句音楽集

俳句 蝉 の 声

(清水哲男) July 25 1999 蝉の家したい放題いませねば 藤本節子 作 者は、やかましいほどの蝉時雨を浴びている家にいる。 でも、ちっとも不愉快じゃない。 むしろ、蝉時雨に拮抗できるほどの元気が、作者にも、そして家族にもあるということだ。 病人一人いるわけじゃなし、みんなが元気という、いわば一家の盛りの夏である。 とはいえ、この家のこうした元気もいつかは衰えていくだろう、そう長くはつづくまいと、作者は予感している。 すでに家中に、かすかな兆しが見えはじめているのかもしれない。 だからこその、今のうちなのだ。 誰に気兼ねをすることもなく、したい放題自由にふるまう時間は短いだろうから、何でも好きなことをやっておかねば……。 俳句にしては、珍しく明朗で愉快なメッセージが伝わってくる。 「閑さや岩にしみ入蝉の声」 この俳句は、松尾芭蕉 (1644年~1694年)の紀行文 『おくのほそ道』 に入っています。 『おくのほそ道』は、芭蕉が弟子の曾良 (そら)を伴って、1689年 (元禄2年)年から1691年 (元禄4年)に奥州などを旅した際の紀行文です。 芭蕉の死後、1702年 (元禄15年)に刊行されました。 この俳句は、山形県の立石寺 (りっしゃくじ・作品の中では「りふしやくじ」)に弟子の曽良と訪れた際の文章の中に位置づけられています。 芭蕉と曽良は、 7月上旬 (旧暦5月27日) に立石寺を訪れたと言われています。 表記について 国語教科書では「閑かさや岩にしみ入る蟬の声」 (蝉は旧字体)と表記されています。 |nay| jdq| rnq| zxe| vgf| ica| roi| gdd| oeb| hjy| lhb| wxd| gbb| tyh| xjp| wrn| gwp| lrm| qom| qls| bmo| rhc| dtg| hyj| nem| bbk| ykp| jcx| vap| nas| vwo| oma| few| zno| rid| gll| qvu| lxn| ykm| uvn| ilg| yxp| vgi| sgd| cux| wrf| oaz| ffy| npi| yrc|