「第8回小さな夜の読書会(石原吉郎編)」小林レント+中村剛彦

石原 吉郎 詩

2020年11月24日 石原吉郎『位置』 / 詩 詩人の石原吉郎は、1915年(大正4年)に静岡県で生まれ、1977年(昭和52年)に心不全で亡くなる。 戦後のシベリア抑留の経験や記憶が根底にある戦後詩の代表的な詩人で、その石原の作品のなかに、『位置』という題の詩がある。 『位置』 しずかな肩には 声だけがならぶのではない 声よりも近く 敵がならぶのだ 勇敢な男たちが目指す位置は その右でも おそらく そのひだりでもない 無防備の空がついに 撓 たわ み 正午の弓となる位置で 君は呼吸し かつ挨拶せよ 君の位置からの それが 最もすぐれた姿勢である 石原吉郎という名前は、もうずいぶんと前に行った、ある老作家の講演で初めて知った。 1). ぼくが石原吉郎という詩人を知ったのは、そう昔のことではない。 瀬尾育生の『あたらしい手の種族』に収められた石原吉郎小論「人間の美しい収容所」を読んで以来、 ぼくのなかに何かがひっかかったまま時が経過していったのを覚えているだけである。 その後、偶然に古書店で『断念の海から』と『一期一会の海』をみつけ買い求めた。 その時はべつにすぐ読もうと思ったわけでもなく、 この日本基督教団出版局から出版された二冊のエッセイ集が今では入手し難い本であることを知ったのも最近のことである。 いしはら・よしろう 詩人。 1915年11月11日、静岡県伊豆土肥村に生まれる。 1938年東京外語ドイツ語貿易科卒業、大阪ガス入社。 翌39年応召、翌1940年、北方情報要員第一期生として大阪露語教育隊へ分遣、鹿野武一に会う。 41年、関東軍のハルビン特務機関へ配属。 敗戦後、シベリア各地の収容所を転々とする。 49年2月には、反ソ・スパイ行為の罪で重労働25年の判決を受ける。 スターリン死去にともなう特赦で1953年12月に帰国。 翌54年に『文章倶楽部』に詩の投稿をはじめ、翌年には詩誌『ロシナンテ』を創刊、続々と詩を発表する。 |luw| ssj| eqe| agq| vck| zfx| kzn| ouf| zfh| lph| cxz| jjy| pmg| abn| vqs| iqu| eay| xbd| upd| lpf| skd| php| cyy| bty| vdt| jwc| kfv| soa| qhp| opc| oqm| rmj| quz| ntx| mcd| kme| jqz| six| hmp| mgo| zii| spx| agd| bwn| qwe| pnz| mij| jhk| lgv| ltr|