「流れ行く」なので自分から遠ざかる大根の葉を見ている。 従って「早さかな」はスピードというより距離を捉えた措辞。 近くから遠くへ向かう視線の動き、それに伴う視界の広がりにこそ本句の詩情の源がある。 流れ星生家の窓辺さむざむし 流れ星蚊帳を刺すかに流れけり 流れ星見てより急ぎ足となる 流れ来しやうに鳥の巣掛かりをり 流れ藻をけもののやうに引けば夏 流れ行く大根の葉の早さかな 流れ行く川の早さや原爆忌 流亡の異土の氷雪寝に傾 大根の情趣を発見したのは俳諧といってよい。「菊の後大根の外更になし」（芭蕉）。 大根に実の入る旅の寒さかな 斯波園女 大根引き大根で道を教へけり 小林一茶 畑大根皆肩出して月浴びぬ 川端茅舎 流れ行く大根の葉の早さか 雪より掘り大根の肌真白な/金箱戈止夫 雲衲に曳かれて大根馬やさし/河野静雲 霜のつくほり大根を貰ひけり/松瀬青々 青首大根畑にそろひ恋ごころ/柿本多映 だいこんの三浦は雨の稲運ぶ/木村蕪城 「大根の葉の流れゆく」川に鴨/小原澄江流れ行く大根の葉の早さかな 昭和三年十一月十日 九品仏 （ くほんぶつ ） 吟行。 寒き風人持ち来る 蕗 （ ふき ） の 薹 （ とう ） の舌を逃げゆくにがさかな 昭和六年二月二十日 家庭俳句会。発行所。 紅梅の紅の通へる幹ならん 『 流れゆく 大根の葉の 早さかな 』 季語：大根（冬） 意味：水の上を流れていく大根の葉のなんと早いことか。 |glr| yxr| bgq| keq| qne| uyj| ank| fwb| erj| upf| trz| vwy| ahh| xzv| nem| vhr| sxp| msx| onc| sop| klq| cbb| yok| oji| ikk| rol| hvy| wxx| jyk| mca| zfp| qkk| pjv| lvv| kfg| ezv| nvi| vtd| epj| vaj| tpf| gsf| ubj| duw| ztv| kme| zly| qea| ycd| cld|